カポエィラはブラジルで生まれたマーシャルアーツ(格闘武道)です。
アクロバット、ダンス、音楽、が融合した、芸術性の高い伝統スポーツ!
2014年11月には「無形世界文化遺産」に登録され、伝統文化として質の高いスポーツと認められました。
今や、世界中で親しまれているスポーツです。
2014年ワールドカップのオープニングセレモニーでもカポエィラの演武が披露されました。
ブラジルでは、「ジンガ(カポエィラの最初の基本ステップ)を制する者は、全てのスポーツを制する」
と言われるほど。
どんなスポーツにも共通する基本の運動能力や、リズム感、柔軟性、バランス力、反射神経など、
カポエィラはすべてを制するスポーツとされています。
カポエイラは、ブラジルで生まれた武道スポーツです。
日本でいえば、空手や柔道といった武道にあたるでしょうか。
また、ジョーゴ(ゲームの意味)組手は取っ組み合いになったり、相手を倒したり、
負かすものではありません。
勝ち負けよりも、攻撃ー防御(蹴り技ー守りーアクロバットを交えたフェイント等)で、
技の駆け引きを楽しむものです。
音楽、歌、リズム、そしてアクロバティックなスタイルをミックスした
正に芸術ともいえる伝統文化のひとつで、世界でも例をみない珍しい格闘技です。
日本の武道と同様に、基本の形があり、技があります。
段位もあり、帯の色によって、段位が定められています。
ビリンバウという一弦楽器(弓のような形),パンデイロ(ブラジル風のタンバリン)、アタバキ(ブラジルのハンドドラム)などを使い、音楽を奏で、コーラスをします。
ホーダという円形のなかで、2名が、それぞれ技を仕掛けます。
ホーダの周りの仲間たちで、音楽、歌、手拍子、掛け声を掛け合い、盛り立てます。
攻撃、守り、回転技、アクロバットと、相手を倒すことなく、蹴り技と、防御技が、うまく絡み合った
即興で行われる見事な動きに、観ているものを魅了します。
カポエイラは、今から約400年ほど前、
ブラジルに連れてこられた黒人奴隷が起源とされています。
現在のようなカポエイラスタイルになるまでには長い歴史がありますが、
元々は、奴隷たちが、戦いの練習をしているのを、カムフラージュする為、
歌や、太鼓で、ダンスをしているように見せかけた、といわれています。
そうして生まれたカポエイラは、その後も長い間、野蛮な事として、偏見され、
つい近年までも、カポエイラをする者は危険人物とみなされたり、禁止令が発令されたりなど、
なかなか大きな発展にはいたりませんでした。
しかし、伝統的な格調高い伝統文化を守る為、誇りを持って作られた規則により、
スポーツとしてのカポエィラを確立していきました。
一時期は、オリジナルの黒人カポエイラ人口がめっきりと減り、
白人や、中上流社会の人間がカポエイラをはじめるようになりました。
スポーツとしてのカポエィラが発展していくと、伝統的な動きを守ろうとする動きがでてきました。
そうしてできたのが、アンゴラスタイルのカポエィラです。
現在は、スポーツ、格闘技、武道としてのヘジョナルスタイルが主流で、世界的に広まっています。